朝の9時ごろに細矢さんに起こされる。
布団の力は計り知れない。いいわけにしか聞こえないが、これは起きれないよ…。
朝食を頂いて、10時過ぎに軽井沢に向けて出発。
今日はサイクリング日和。太陽が僕らに味方してくれた。
空荷になった僕の自転車は、いつもよりも柔らかな表情をしていた。
毎日毎日、荷物満載だった自転車。たまには身軽にもなりたいだろう。
ペダルを漕ぐ足も軽々しい。とても気持ちの良い陽気を浴びながら風をきっていく。
横目に日本三大奇勝の一つでもある妙義山を見ながら緩やかな勾配を上っていく。
本当であれば妙義山にも登る予定だったのだが前の台風によって登山道が閉鎖されているのだ。
残念だけども、遠目から見るだけでも十分にその存在感は身体の節々を通して心に伝わってくる。
日本の風景とは思えないそれは何処か辺境の国に来てしまったかのように錯覚してしまうくらいだ。
登りたい…
いつかあの高みへと、自らの足で登頂をしてみたいと強く思える。
ただ、細矢さん曰く毎年のように死傷者が出るほどに頂上までは険しい道のりらしい。
それも頷けほどに、急勾配でいて尖った姿が印象的なのだ。
恐るべし妙義山。
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| 碓氷峠入り口 |
めがね橋 |
軽井沢までに行くには峠を越えなければならない。
その名を碓氷峠と言い、峠を越えるまでに述べ184箇所ものカーブが待ち構えている。
細矢さんから話を聞いた僕はもう楽しみで仕方がない!!
峠の始まりには丁寧に看板まで設置してあった。そこには「曲折多し」の文字が書かれている。
空荷の自転車なので今日は思う存分峠を攻めることが出来る。やってやろうじゃないか!!
これまた丁寧にカーブがあるごとにC=1、C=2とカーブ数が書かれた看板がある。
最初は元気も有り余っていたので、カーブ数を数えながら走ってみたりする。
途中、碓氷湖やめがね橋を見て否応なく襲ってくるカーブを一つずつ越えていく。
クネクネと飽きもせず曲がり続ける道。絶対に荷物満載では走りたくはない…。
肌寒いくらいの風もなんのその。それ以上に身体が熱されていく。
滴り落ちる汗。それはチャリダーにとっては勲章の一粒。
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| 184ものカーブが連続 |
上りきって長野県へ |
約1時間近くかけて184ものカーブを走り碓氷峠を上りきることに成功した!!
上りきった先は長野県。そして軽井沢と続いている。
上った後は下りがある。さぁ、下るぞっ!!と思った矢先、ものの数十秒で下りは終わりを告げた…。
軽井沢は高所にあるために、峠とほぼ同じ標高に位置している。確かに風もヒンヤリとしていた。
軽井沢に到着し、目指すは長野県最大規模のアウトレットモール。
平日だと言うのに人の数が多い。休日だったらどうなっているのだろう…。
旅中ということで買っておけるようなものはなく、お土産品店を梯子して試食を繰り返す。
本当に試食ばかりしていた。
細矢さんと気に入ったジャムを往復して嗜む。いやー、旅人だからこそ成せる技だ!!
ゆっくりとアウトドアショップを見学したり、
気持ちの良さそうな芝生で寝転がったりして、ゆっくりした時間を楽しんだ。
先ほど見て気になっていたクレープ屋でクレープを購入。また細矢さんに奢ってもらった。。
僕は栗をふんだんに使ったマロンクレープを食べたのだが、もう至福のひと時!!
甘いものを食べ過ぎている気もするが、こればかりはやめられない。
だって、甘党ですから。
ずっと気になっていたプリンジャムと栗のキャラメルを自分のお土産として購入。
ホームページ用に写真を撮っているところを細矢さんに激写される。
旅人の習性を改めて自分で見てみると滑稽な姿だ…。
かれこれ3時間ほどは見て周っていた。その大半は試食…。
アウトレットモールを後にして別荘地が点在している付近を見て回り、新道から下り細矢さん宅へと戻っていく。
ここの下りがまた急勾配で、ブレーキを上手くかけていかなければカーブを曲がりきれない。
上りだったら、空荷の自転車だからといっても容易にはいかないだろう…。
途中で、駅弁販売業者としては日本最古の「おぎのや」で峠の釜めしを購入して頂く。
ここでも細矢さんに奢っていただいた。ありがとうございますの一言しか僕には言えない。
この釜めし、具にはしっかりと味が染みこんでいて味わい深い逸品だ。
あまり椎茸を好んで食べない僕なのだけど、一番美味しいと感じたのは椎茸だった。
松茸を食べたことはないけども、きっと松茸にも負けず劣らずの旨みがでていたに違いない。
ややボリューム不足だったけど、釜もお持ち帰りできるので良い思い出にはなること間違いなし!!
食べ終わった後は、一度細矢さん宅へ戻り妙義山を間近で見るために展望台まで車で上って行った。
自転車では絶対に上りたくないクネクネ道を身体を左右に振られながら走る。
案の定、登山道は閉鎖されていたけども、奇怪な形をした妙義山を目に焼き付けることは出来た。
展望台にて夕暮れの様子を見て、辺りも暗くなったころに帰宅。
夕飯に栗ご飯を頂いた。
実りの秋。今日は栗三昧の一日だ。本当に細矢家の皆様には感謝。
あまり話し上手な僕ではないけど、楽しい時間を過ごさせて頂いている。
普段生活していたら、他人の家にお世話になることなんてないだろう。
きっと旅をしていなければ、僕は人と接する機会は少なかっただろう。
踏み入れるはずのなかった世界なだけに戸惑いはあるものの貴重な体験だ。
井の中の蛙…僕はまさに蛙だった。
どれだけ日々適当に過ごしていたか?自分のだらしなさが見えてくる。
その一つに箸の持ち方が挙げられる。
僕の箸の持ち方は特殊で、必ず初めて会った人には指摘される。
でも、箸の持ち方って誰が決めたことなのだろうか?
うーん、僕にはまったく理解できない。正しい持ち方がなぜ正しいのか?
見てくれ?持ちやすさ?
見てくれなんて、旅をしている僕としてはまったく気にならないこと。
僕には一番しっくりくる持ち方だから直したほうがいいのかわからない。
よく頑固だねって言われる。
でもね、譲れないことって必ずその人にはあると思う。
それが些細なことでも、その人にとってみたら重要なことだってある。
世間体を気にしていたら日本一周なんて出来やしないと思う。
他人にやめろと言われてやめるような旅だってしていない。だから僕は頑固だと思う。
人に言われたから、そうですねって言うのはどうなのかな?
僕は意思が強くはない。
時に自分を固辞するが、時には流される。
とても不安定な感情。自分でもわかっているだけに歯痒いところがある。
最近思う。
人の目を気にしなくなったけど、それは外見的なことであって内面的なことはまだまだだって。
人の顔色を伺って、人に嫌な思いをされないように適当に合わせている僕もいる。
これでは、今の僕は本当の僕とは言えない。
外見的なことよりも、むしろ内面的なことを変えたいと思って旅に出たのだから、
もう少し自分の意思を強く持たなければと。
結論(かどうかわからないけど…)
中途半端に自分を出したり引いたりするよりはどちらか一方に集中した方がいい。
僕は中途半端だからいけないのだ、辺に羞恥心を捨てきれない部分もあるし、
ありもしないプライドを守ろうとしてもいる。
あまり上手くまとめることはできないけど、自分を貫き通してやろうと思う。
それが間違いかどうかは他人が決めることじゃない、自分で決めることだ。
さぁ、あなたも自分の意思で旅に出よう!!(宣伝)