朝の6時前に起きると、徒歩ダーさんはもう出発の準備を済ませていた。
テントを張らなくても、まったく問題なく眠る事ができた。
二人で寝床を共にしたために安心できたのだろう。
一人なら、おっかなびっくり何度も夜に起きていたかもしれない。
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| 年の差44!! |
7時前には徒歩ダーさんが出発。
昨日は色々と学ばせてもらった。僕にも少なからず心の変化が出てきた気がする。
曖昧に感じていた部分が少しずつ明確になっていくような。
まだまだ、段階を踏んで前に進んでいる途中であるけど、
こういった出会いで自分が成長できてるのでは?と少し感じれるようになった。
まだまだ未熟であり、教わることはたくさんあるけどね。
僕も遅れること10分後に出発。
すぐさま徒歩ダーさんに追いついた。
僕から連絡先を交換することは滅多にないのだけど、繋がりが途絶えてしまうのがどうしても寂しかったので、
「旅をしていてこういう人間もいたんだな。程度に覚えていてくれるだけでいいです」
とメモを渡したのだけど、徒歩ダーさんは出会いは一期一会だから良いんだと一言。
どうやら僕の判断は間違っていたようだ…。
確かに旅をしていると一期一会の出会いが多いかもしれない。
ただ、どうしても気になる人や、これからも繋がりを大事にしたい人は別だと思った。
だから僕は思い切って連絡先を渡したのだけど…。
一応、連絡先は受け取ってくれたけど後味の悪い別れとなってしまった。
良かれと思って行ったこと、その人にとって決して良いこととは限らない。
僕は無神経だったのかもしれないな…。
人には人の旅のスタイルがある。
僕も良い所は吸収し、譲れない自分の信念に当たる部分は大事にしていこう思う。
さぁ、今日もはりきって日本を走ろうじゃないか!!
まずは富津岬目指して進んでく。
道中、トンネルがあるのだけどあまりにも狭い。路肩はないようなもの、トラックが来るものなら大変だ…。
長いトンネルを走るのも嫌だけど、短いトンネルが連続して続くのも精神的には相当なダメージ。
途中、トンネル内とは別に歩道が続き走っていくが、なぜか民家の庭に出てしまった。
えぇ?どういうことだ…。
家主と思われる方が出てきて、突然の来訪者にも関わらず話しかけてくれた。
申し訳なさそうに挨拶をして道を聞くと、この先に通じているという。
砂利道だったし、地元の人じゃなければ道が続いているとはとても思えない…。
無事に富津岬へ着くと、目の前には立派な展望台がそびえ立っていた。
もちろん、最上階まで行き東京湾を一望。
空気が澄んでいなかったために遠くまでは見渡すことができなかった。
だけども関東独特?の雰囲気のようなものを感じることができた。物が溢れている予感がする。
あの中を自転車で走るのか…。多少、不安や戸惑いはある。無事に首都圏を抜けることができるのか?
近くの公園に行き、パソコンの作業をしながら昼食をとる。
それにしても、まだまだ良い陽気が続くなぁ。
気持ちの良い太陽の日差しに負け、芝生でごろごろ。
時間を気にすることなく、自分の身体をもって地球の鼓動を感じる。とても贅沢な時間だ。
パソコンで日記を書き、メールの返信をしてからは千葉市目指して進んでいった。
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| アクアライン |
単調で走りやすい道を走っていくと、海に向って伸びている一本線。
これが東京湾を貫き、木更津〜川崎を一直線で結んでいるアクアラインか…。
凄い…。
自然の雄大さとは違った風景。暫し呆気にとられ魅入ってしまった。
人工的に造られたものだとしても、霞んで見えない対岸まで続いているとは…にわかには信じ難い。
これが北海道〜沖縄間まで続いてくれれば短期間で走りきることができるんだけどなぁ。
なんて、夢物語なことを考えながらアクアラインのスケールの大きさにやられてしまった。
その後も、ひたすらに単調な道を走っていく。
トラックが行き交い排気ガスが支配権を持っている道路。空気は汚く、気持ちもブルーになっていく。
そんな中、明らかに僕が優先だったにも関わらずトラックが左折してきて危うく巻き込まれそうになった。
本当に危なかった…。
僕が異変に気付き減速していなければ、今頃はトラックのタイヤの下敷きになっていただろうに…。
流石に命に関わることだったので、横暴な運転をするトラックのドライバーに対して怒りが込み上げてきた。
思わず叫んでしまった…。「ふざけるなっ!!」
でも…、
叫んだって仕方がない…、
聞こえているわけでもないし、巻き込みそうになったのも気付いていないようだったから。
逆に怒りに身を任せて叫んでしまった自分が不甲斐なく思う。
まだまだ大人になりきれていないのだろうか…。反省。
千葉市に入ると交通量も人も増えていった。
都会だなぁ…。その一言しか思い付かないくらいにね。
警察官に道を尋ねて、何とか千葉県庁を見つけて写真におさめた。
関東の県庁は大変立派なもので、見上げる僕の首も大変辛いものがある。
県庁も見終わって、今日の目的地である道の駅「やちよ」まで走っていくのだったが…、
お尻に伝わる振動がやけに大きい。ガタガタガタ…。
あぁ〜、よりにもよってこんな街中でパンクなんて…。
自転車を押しながら適当な公園を見つけてパンク修理開始。
修理中にここの公園の住人と思わしき人が僕のことをジーっと見つめてくる。
ちょっと怖い…、バーナーを盗まれてから敏感になっている僕はそそくさと修理を済ませて立ち去った。
道の駅「やちよ」までは国道16号線を走っていけば着くので、ただひたすらに走っていた。
と思われたのだけど何かが変だ。国道がこんなに狭いわけがないし、国道の表示もされていない。
近くのコンビニに立ち寄り、詳細地図に目を通すと…、なぜか東京方面に向っている県道を走っていた。
かなりのタイムロス、もうナイトランは間違いないだろう…。
何とか国道16号線に復帰し、案の定道の駅に着いたのはどっぷり日が暮れてからだった。
まだ、道の駅が閉館していなかったのでベンチで休んでいると男性に声をかけられた。
自称ホームレス(車持ち)の方は近辺の道の駅を転々として日雇いのアルバイトをしながら生活していると言う。
生活していくのも大変だと言うのに温かいコーヒーを頂いてしまった。
普通のインスタントコーヒーなのに重みがあり、普段の数倍温かかった。
男性の地元話や、僕の旅話を交えながら時間が過ぎていった。そうこうしている内に道の駅は閉館。
男性と別れた後にテントを張ろうとしたら、道の駅の方が現れテント撤収命令…。
まずい…、こんな時間に何処に移動すればいいのだろう?
何とか必死に泊まらせてくれないかと交渉するも破談。おぉ、冷たい風が吹いてくる。
もう移動する気力もない僕は道の駅の方がいなくなったのを見計らって場所を変えて再度テント設営。
旅人として恥じる行為かもしれないが、最低限のマナーを守り人に迷惑がかからない場所に落ち着いた。
が…、再度道の駅の方が登場。
あぁ…、もう移動しなければ無理かなと思っていたら、
「テントを張っていたことを見なかったことにするから」
と、ご厚意によって何とかテント設営を許可して下さった。
本当にご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。今日一日感謝しながら泊まらせて頂きます。