雨…。
今日の始まりは無情にも昨日の終わりと同じく空から入りもせぬ粒がシトシト降っている。
雨だからといって今日は停滞していられない。
天気予報によれば台風の影響で午後から雨風が強くなるのだ。
数キロ走れば東京入りできる今日、とてもじゃないが野宿は出来そうにもない。
予め調べておいた情報では浅草付近に安宿が密集しているそうだ。
それを知ったと同時に今日の目的地は浅草近辺に決定だ!!
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| いつの間にか東京… |
予備タイヤ購入 |
準備を済ませ8時に出発。
国道4号線に入り、ひた走っていると…あれ?
ここは…東京だ。
いつの間にか東京入りしていたようだ。そういえば街並みも東京っぽくなった気が。
雨で蒸れるのを嫌い、途中コンビニで休憩していると地元の男性に話しかけられた。
旅の話をしていると…、
ひょんなことから友人に自転車のパーツを取り扱っている人がいるので、
良かったらタイヤを購入してみないか?と言われた。
予備タイヤの無かった僕にはヨダレの出るくらい嬉しいことだ。じゅるり。
暫く友人と電話で連絡をとった後、会社の場所を教えてもらい行ってみることにした。
目印の本屋を見つけ近くを探してみると…あった!!多分ここだ。
近くに会社の方がいたので教えて頂いた方を呼んでもらった。
待つこと数分…タイヤを持った男性がやってきて格安で譲っていただいた!!
これでタイヤの心配はなくなり一安心。
お店の人にお礼を言って別れ、何処か雨宿りできそうな所を探す。
適当な場所を見つけ、再度ネットで宿の場所を確認。
わかったような、わからないような狭間の中だったが宿の密集地帯に向けて出発。
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| かっぱ橋 |
それらしい方向に進んでいくと、見たことのある文字。
カッパ橋だ!!
右を見ても左を見ても調理関係の品物ばかり、サンプル品や包丁、旗や看板までも置いてある。
テレビや「こち亀」で見たことのある風景を目にしてちょっと興奮。
興奮冷めやらぬ内に、いつの間にか周りには安宿が点在していた。
ネットで探してようさそうだった宿にいってみるが、チェックインの時間はまだとのこと。
ネットで調べた時は応相談でチェックインを早められると書かれていたが…気のせいだろう。
さて、困った僕と言うと自転車を宿の近くに置いてブラブラと近くを探索。
とは言うものの見るような所もなく、暇を潰せそうなところといったらコンビニなわけで…。
コンビニを梯子して暇を潰したそうな…。
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| だんだん激しく |
立派な浅草です |
コンビニから出ると…、うわ風も雨も強くなってきた…。
そろそろチェックインの時間が迫ってきたのでホテルに向っていく。
道中…、ビルの軒下にダンボールを寝床とする人から威嚇される。
何を叫んでいるのかわからないけど、とにかく僕に向って言葉を投げかけている。
若干、恐ろしかったが見向きもせずに通り過ぎる。
きっと僕のことをホームレスと勘違いし、領内に入ってきた敵と見なし追い出そうとしたのだろう…。
東京に一人…、なぜか急に切なさが僕の背を這って頭の芯にまで到達した。
東京は怖いところ…。
上京する若い息子と、それを心配する母親との一連のやり取りを頭の中で想像する。
僕の立場はきっと母親の方だろうな。
その後は無事にホテルに着きチェックインを済ませる。
3畳ほどの部屋に小さなテレビと布団だけ。その他は一切余計なものはない。
だけど、僕にとったら楽園だ。屋根があり布団があるだけで十分じゃないか。
雨だって寒さだって凌げるのだから。これ以上のものはいらない。
でも、お腹は減るな…。
近くのスーパーへ行き、せっかく浅草に来たのだからパッケージに「浅草」と書かれたカップ焼そばを購入。
む、虚しさが若干脳裏を駆け巡っていったが僕は感じて感じぬふりをする。
部屋に戻った後は焼そばを食べ、パソコン作業に没頭。
外は大荒れだな…。窓はカタカタ音を立てている。先ほどのホームレスの方は大丈夫だろうか?
この雨と風をダンボールや寝袋だけでは、とてもやり過ごすことが出来そうもないのだけど…。
人の心配をする余裕がある僕は、まだまだハングリー精神が足りないということなのだろうか?
だったら、一度この暴風の中で野宿を経験した方がいいのかもしれない。
どうするトニナ?
…。
僕には無理です。
おやすみなさい。